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☆コラム自己流分析☆

◎キャノンの御手洗富士夫さん1(2005/11/8up)

今回のコラムでは、日本を代表する優秀な経営者のひとり、キャノン(7751)の現社長・御手洗富士夫さんについて書かせてもらいます。

親族すべて医者という家に生まれた富士夫さんは、医者になるのを嫌い、中央大学法学部に進み検事になろうとした・・・・・・が司法試験は不合格。富士夫さんはちょうどキャノンの創業者のひとり・御手洗毅さんの甥にあたっていたことから、親孝行のつもりでキャノンに入社しました。

この人には経営哲学に特徴があります。

というのもこの方はキャノンに入社して、ちょうどキャノンが本格的にアメリカへ進出するというとき(1966年)に一緒にアメリカに送り込まれた一人なんです。
そのことがどう経営哲学と結びつくかというと、
アメリカに送り込まれて以来、1989年まで日本に帰ってきませんでした。
そう!23年間、アメリカ流の経営を叩き込まれ、生き抜いた人ということです。
(後半の10年間は現地法人の社長も勤めました。)

1995年にキャノンの社長に任命されましたが、はじめは「日本的経営」に戸惑ったようです。
トップの力でぐいぐい経営を推し進めていくアメリカとは違って、
日本で前に進むには根回しが必要です。

御手洗富士夫さんが優秀な経営者だったのはこの文化の違いから、
「会社経営は国別だ!」
と判断したところだと思います。

「国ごとに文化、言語、習慣はぜんぜん違う。日本人の習慣を考慮せずに世界中を標準化した同一のシステムで経営してもうまくいかない!」

そう判断した富士夫さんは経営の発想は米国流
実行する手法は日本流という独自の経営哲学を生み出しました。

「経営の発想は米国流、実行する手法は日本流」
とはいったいどういう手法なのか?
次回はその経営手法についてどのような改革を推し進めたのかを綴っていきます。

※世界のトップメーカー・キャノン。
売上高・ROE・自己資本比率どれをとっても素晴らしい数字だと思います。
(いまさらこの銘柄を買おうとは思いませんが^^;)
これだけ大きな企業を経営できるぐらいの人です。
そりゃ日本経団連会長に選ばれますよ!





◎キャノンの御手洗富士夫さん2(2005/11/10up)

 アメリカから日本に帰ってきた富士夫さんがまず感じたのは、「日本的経営」に対するいらだち・フラストレーションでした。社長自らがガンガン決断、遂行していくアメリカ的経営に対して、日本では決断、遂行の前に「根回し」が必要になってくる。彼の良いところは、このような現状を受けて真っ向からぶち当たっていくのではなく、柔軟な姿勢をみせたところにあります。
つまり「日本的経営」の裏には日本独特の文化・習慣が根付いているためと解釈したからです。

「日本には日本に適した経営方法がある。」

ここで「経営の発想はアメリカ流、実行する手法は日本流」という独特の経営手法が誕生しました。

1995年に社長に就任した富士夫さんが掲げた目標とはずばり「利益優先主義」です。
「利益をだせなければ株主へも還元できないし、従業員の生活保障や社会貢献もできない。」
というのが富士夫さんのポリシーです。
彼はまず事業の不採算部門を切り捨てました。

切り捨てる基準は「基幹技術を用いているかいないか」です。

キャノンの基幹技術はカメラです。
これまで高等なカメラの技術があって、高性能の製品ができ、利益を出してきました。
不得意な部門を取り除いて、得意な部門に集中させるというのは経営の基本です。
自前の基幹技術を持たないパソコン事業など赤字部門を切り捨てて、連続最高益の快進撃がはじまりました。

人事政策では富士夫さんの独特な経営手法の特徴が顕著にあらわれています。
再就職の市場が発展していない日本では米国流のレイオフはなじまないとして、キャノンでは終身雇用制度を残しています。しかし、富士夫さんはこの終身雇用制度にアメリカ流の経営発想を加えてアレンジしました。
実力主義の賃金体系を導入したのです。

従業員は安心して働けますが、実力主義なので頑張ります。
単純な発想にみえますが、この人事政策には技術の流出を防ぐという大事なポイントが裏に隠れています。
人材の流動性が激しいアメリカではこの技術の蓄積というのが非常に難しい。
一般に技術開発には10〜15年かかるといわれています。
終身雇用制度にすればその技術の流出も防ぐことができます。

米国時代では、技術を見につけた従業員が高い賃金につられて転職し、蓄積した技術がある日突然消えてなくなるということがしばしばあったようです。


※「彼の魅力の源泉は和魂洋才にある。」
とある本にはこうかかれていました。
米国と日本のいいとこどりという非常に合理的な考え方だと思います。
優秀な経営者というのは総じて合理的な考え方をしている人が多いですね。






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